文子 / 上仁
老子曰:能尊生,雖富貴不以養傷身,雖貧賤不以利累形。今受先祖之遺爵,必重生之所由來之矣,而輕失之,豈不惑哉。貴以身治天下,可以寄天下,愛以身治天下,所以託天下矣。
新字:老子曰:能尊生,雖富貴不以養傷身,雖貧賤不以利累形。今受先祖之遺爵,必重生之所由来之矣,而軽失之,豈不惑哉。貴以身治天下,可以寄天下,愛以身治天下,所以託天下矣。
書き下し
老子曰く、能く生を尊べば、富貴なりと雖も以て養いて身を傷つけず、貧賤なりと雖も利を以て形を累わさず。今、先祖の遺爵を受け、必ず生の由りて来る所を重んずるに之を軽んじて失うは、豈に惑いならずや。身を以て天下を治むるを貴ぶ者は、以て天下を寄す可し。身を以て天下を治むるを愛する者は、以て天下を託す可し。
現代語訳
老子は言った。生を尊べる者は、富貴であっても、豊かさのために体を傷めず、貧賤であっても、利のために身を煩わせない。今、先祖の遺した爵位を受け継ぎながら、本来はその由来を重んじるべきなのに、軽んじて失うのは、惑いではないか。身をもって天下を治めることを貴ぶ者には、天下を預けてよい。身をもって天下を治めることを愛する者には、天下を託してよい。
解説
短い一段ですが、『老子』第十三章の「身を以て天下を為むるを貴ぶ者は、以て天下を寄す可し」を踏まえた内容です。前半は、富貴にいても貧賤にいても、生を尊ぶ者は体を損なう方向へ進まないと言います。後半は、自分の身を大切に治める人こそ天下を任せられる、という逆説です。働きすぎの人ほど組織を預けてはならない、とまでは書かれていませんが、自分を粗末に扱う人が他人を大切に扱えるかという問いは、管理職の健康管理にもつながります。
この章句が説くこと
生を尊べば身を以て天下を治むるを貴ぶ者以て天下を寄す可し先祖の遺爵養生自愛
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