武訓 / 上・第6段
もろこしに、武藝十八手あり。日本にも、武藝の數多し。射騎を先として、大將もしるべし。刀術槍術も、必知るべし。其の外に、拔刀の法、刀をなげうつ法、眉尖刀の法あり。又、鎌と棒とを用ふるにも法あり。法をしれば、皆、用をなし、敵をうつ。又捕縛の法あり。拳あり。拳は、近年、元贇といふ中華人來化して、此の土にて死す。此の者、此の法を習ひしにはあらざれども、中華にあることを語る。きく人、是を以て、其の術を、はじめてつくり出せり。
新字:もろこしに、武芸十八手あり。日本にも、武芸の数多し。射騎を先として、大将もしるべし。刀術槍術も、必知るべし。其の外に、抜刀の法、刀をなげうつ法、眉尖刀の法あり。又、鎌と棒とを用ふるにも法あり。法をしれば、皆、用をなし、敵をうつ。又捕縛の法あり。拳あり。拳は、近年、元贇といふ中華人来化して、此の土にて死す。此の者、此の法を習ひしにはあらざれども、中華にあることを語る。きく人、是を以て、其の術を、はじめてつくり出せり。
書き下し
もろこしに、武藝十八手あり。日本にも、武藝の數多し。射騎を先として、大將もしるべし。刀術槍術も、必知るべし。其の外に、拔刀の法、刀をなげうつ法、眉尖刀の法あり。又、鎌と棒とを用ふるにも法あり。法をしれば、皆、用をなし、敵をうつ。又捕縛の法あり。拳あり。拳は、近年、元贇といふ中華人來化して、此の土にて死す。此の者、此の法を習ひしにはあらざれども、中華にあることを語る。きく人、是を以て、其の術を、はじめてつくり出せり。
現代語訳
中国には武芸十八手があります。日本にも武芸の数は多くあります。射と騎を先とし、大将も知っておくべきです。刀術・槍術も必ず知るべきです。その外に、抜刀の法、刀を投げ打つ法、眉尖刀の法があります。また、鎌と棒を用いるにも法があります。法を知れば、みな役に立ち、敵を討つことができます。また捕縛の法があります。拳もあります。拳は、近年、元贇という中国人が来て日本に帰化し、この地で死にました。この者はこの法を習ったわけではありませんが、中国にあることを語りました。それを聞いた人が、これをもとに、その術をはじめて作り出しました。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『文武訓』武訓上一もろこしに、武芸十八事あり。日本にも武芸の数多し。射騎を先として大将も知るべし。刀術鎗術も必ず知るべし。其外に抜刀の法、刀をなげうつ法、眉尖刀の法あり。又鎌と棒とを用ふるにも法あり。法を知れば皆用をなし敵をうつ。又捕縛の法あり、拳あり。拳は、近年元贇といふ中華人来化して、此土にて死す。此者、此法を習ひしにはあらざれども、此法、中華にあることを語る。聞く人是を以て、其術をはじめてつくり出せり。
-
『武訓』上・第5段軍器三十六あり。弓を上首とす。武藝十八あり。射を第一とす。是、兵錄に見えたり。中華の書なり。日本にても、射を重んじて、武士を、弓とりといふ。中華にて、武藝には、騎射を重しとし、日本にても、弓馬を、武藝の宗とす。太刀鎗の類は、其の術しらざる人も、みだりにたゝかふ人多し。弓馬は、ならはざれば、かりにも、弓を射、馬に騎ることかなはず。しかれば、武藝多き內にも、弓馬は、ことに、しらずんばあるべからず。
-
『文武訓』武訓上一軍器三十六あり。弓を上首とす。武芸十八あり。射を第一とす。是、兵録に見えたり。中華の書なり。日本にても射を重んじて、武士を弓とりといふ。中華にて、武芸には騎射を重しとし、日本にても、弓馬を武芸の宗とす。太刀鎗の類は、其術知らざる人もみだりにたたかふ人多し。弓馬はならはざれば、かりにも弓を射馬に騎ることかなはず。しかれば武芸多き内にも、弓馬はことに知らずんばあるべからず。
-
『文武訓』武訓上一士たる人は、高きいやしき、弓馬剣戟の法をまなぶべし。武芸を知らざれば、戦にのぞみ敵に対しがたし。されど、大将たる人は、まづ兵法をならひて、次に武芸をならふべし。武芸に専なるべからず。武芸はただ其大略をならふべし。武芸は末なり、兵法は本なり。有司も兵法をならふべし。将たる人、武芸のみ知りて兵法を知らざるは、本をすてて末をとるなり。小身の士は、武芸を大やうはあまねくまなぶべし。弓馬、剣術鎗長刀、抜刀、撃剣、拳法、棒、水練など皆ならひ知るべし。一事も知らざれば変に応じがたきことあり。小身の士も、一芸をすぐれて精しくまなぶは、一事になづみて他芸に通じがたし。故に一芸に専一なるべからず。然れども、もし士の子弟など、一芸を以て、身を立てんと思ふものは、芸を専にしてくはしくまなぶべし。これ人の師となるに足れり。かやうの人、もしあまねく多芸にしては、一芸にくはしからず、くはしからざれば人の師となりがたし。
-
『文武訓』武訓上一武士たる人は、武芸を知らずんばあるべからず。弓馬、刀剣、鎗長刀、鳥銃、拳法なども、其法をならはずしては、戦にのぞみて功をなしがたし。中について、弓馬を尤まなぶべし。弓馬の二は、ことさら学ばずしては、ちからつよしとても、妄に其術行はれず。他の武芸はよく習ひても、治世に生れては、一生の間一度も其わざ用に立たざることあり。弓馬は、治世にても日用のことなり。殊に馬は日々乗る物なれば、よく学ぶべし。
-
『武訓』上・第3段武士たる人は、武藝をしらずんばあるべからず。弓馬、刀劍、鎗、長刀、鳥銃、拳法なども、其の法をならはずしては、戰にのぞみて、功をなしがたし。中について、弓馬を尤まなぶべし。弓馬の二は、ことさら學ばずしては、ちからつよしとても、妄に其の術行はれず。他の武藝は、よく習ひても、治世に生れては、一生の間、一度も、其わざ用に立たざることあり。弓馬は、治世にても、日用のことなり。殊に、馬は日々のる物なれば、よく學ぶべし。
人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る