武家家訓集 / 朝倉敏景十七箇条第三条
一天下雖爲靜謐、遠近の諸國に置目付、常可被爲窺其風儀事、
新字:一天下雖為静謐、遠近の諸国に置目付、常可被為窺其風儀事、
書き下し
一、天下靜謐たりと雖も、遠近の諸國に目付を置き、常に其の風儀を窺はれるべき事、
現代語訳
天下が平穏であっても、遠近の諸国に目付を置いて、常にその風儀(土地の様子や気風)をうかがうようにしなければならない。
解説
第三条は、天下が静かに治まっているときでも、遠近の諸国に目付を置いて各地の風儀を常にうかがうよう求めます。静謐は世の中が穏やかなことで、平時こそ情報収集を怠るなという趣旨に読めます。風儀とは土地ごとの気風や動きのことで、変化は表に出る前に風向きとして現れるという発想です。本文は目付に何をさせるかまで細かくは書いていません。現代の経営でも、業績が安定している時期ほど、現場や取引先、競合の空気を知る仕組みが手薄になりがちです。定例報告だけに頼らず、複数の目で状況を見る経路を、平時のうちに用意しておく必要があります。
この章句が説くこと
情報収集平時の備え目付風儀リスク管理武家家訓集
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