武治提要 / 賞罰・第7段
治にあたつては、賞を重し、罰を輕すること、武將の寬仁なり。亂にあたつては、賞罰各嚴重になすこと、武將の軍權なり。而して治に嚴重の令を用い、亂に寬仁の政をなすは、武將の權也。凡進て功ある者を必賞し、退て臆する者を必ず罰するときは、敵にのぞんで戰死せんことは計るべからずして、功あるときは賞あり、若臆して退くときは、刑あらんと半に過て、賞譽を得んと必ずなし。此二つのものを、三軍能會得なすが故に、麾に應じてすゝまずと云ことなし。賞罰の功あること爰に於て尤も著なり。
新字:治にあたつては、賞を重し、罰を軽すること、武将の寛仁なり。乱にあたつては、賞罰各厳重になすこと、武将の軍権なり。而して治に厳重の令を用い、乱に寛仁の政をなすは、武将の権也。凡進て功ある者を必賞し、退て臆する者を必ず罰するときは、敵にのぞんで戦死せんことは計るべからずして、功あるときは賞あり、若臆して退くときは、刑あらんと半に過て、賞誉を得んと必ずなし。此二つのものを、三軍能会得なすが故に、麾に応じてすゝまずと云ことなし。賞罰の功あること爰に於て尤も著なり。
書き下し
治にあたつては、賞を重し、罰を輕すること、武將の寬仁なり。亂にあたつては、賞罰各嚴重になすこと、武將の軍權なり。而して治に嚴重の令を用い、亂に寬仁の政をなすは、武將の權也。凡進て功ある者を必賞し、退て臆する者を必ず罰するときは、敵にのぞんで戰死せんことは計るべからずして、功あるときは賞あり、若臆して退くときは、刑あらんと半に過て、賞譽を得んと必ずなし。此二つのものを、三軍能會得なすが故に、麾に應じてすゝまずと云ことなし。賞罰の功あること爰に於て尤も著なり。
現代語訳
治まった世にあっては、賞を重くし、罰を軽くするのが、武将の寛仁です。乱の世にあっては、賞罰をともに厳しくするのが、武将の軍権です。そして、治の世に厳重な令を用い、乱の世に寛仁の政をするのは、武将の権(臨機の判断)です。およそ、進んで功のある者を必ず賞し、退いて臆した者を必ず罰するならば、敵に臨んで戦死することは計算の外にあって、功があれば賞があり、もし臆して退けば刑があるという思いが半ばを過ぎ、必ず賞や誉れを得ようとします。この二つのことを三軍がよく会得するので、指揮の旗に応じて進まない者がありません。賞罰の働きがあることは、ここに最もはっきり表れます。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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