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武治提要 / 民政・第3段

民政亦怠惰を戒るを要とす。民間遊手多きものは國の費なり。童子小婦に至るまで、相應の職を命すべし。本朝浮屠を信ずること、世々損益す、尤も遊民の首頭にして、事物の益たること少し、彼本一衣一鉢の淸貧を素意とす、若富ときは稍害あり。竊に案ずるに、浮屠の天下にある、亦武治の一用たり、これ兵法に所謂無用の用なり。

新字:民政亦怠惰を戒るを要とす。民間遊手多きものは国の費なり。童子小婦に至るまで、相応の職を命すべし。本朝浮屠を信ずること、世々損益す、尤も遊民の首頭にして、事物の益たること少し、彼本一衣一鉢の清貧を素意とす、若富ときは稍害あり。窃に案ずるに、浮屠の天下にある、亦武治の一用たり、これ兵法に所謂無用の用なり。

書き下し

民政亦怠惰を戒るを要とす。民間遊手多きものは國の費なり。童子小婦に至るまで、相應の職を命すべし。本朝浮屠を信ずること、世々損益す、尤も遊民の首頭にして、事物の益たること少し、彼本一衣一鉢の淸貧を素意とす、若富ときは稍害あり。竊に案ずるに、浮屠の天下にある、亦武治の一用たり、これ兵法に所謂無用の用なり。

現代語訳

民政では、怠けを戒めることも要点です。民間に遊んでいる者が多いのは、国の損失になります。子どもや女性に至るまで、それぞれに合った仕事を命じるべきです。本朝で仏教を信じることは、時代ごとに盛衰がありましたが、遊民の筆頭であり、事物の上での益は少ないものです。もともと彼らは一枚の衣と一つの鉢で清く貧しく暮らすのが本来の願いで、もし富むようになればやや害があります。ひそかに考えますに、仏教が天下にあることも武治の一つの用であり、兵法でいう「無用の用」です。

解説

この段は、働かずにいる状態を国の損失とみて、年齢や立場を問わず相応の役割を与えよと述べています。仏教についての見方は、当時の武家の立場からのもので、いまの私たちが同じ見方をする必要はありません。それでも、全員に役割を持たせるという発想と、一見役に立たないものにも用があるという「無用の用」の考え方は、職場でも使えます。成果に直結しない人や仕事が、組織の余裕や支えになっていないか見直してみる価値があります。

この章句が説くこと

民政怠惰無用の用役割遊民武治提要

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