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武治提要 / 明事物・第2段

天地相隔て相交る、これより無究の事物を生ず。人生亦彼此相隔て相交る、これより無數の事物をなす。若其條理明ならざるときは、事物其處を得ず、處を得ざるときは爭ふ。無敵にして先勝、無形にして有形を破り、萌んとするの機微を制するもの、惣じて事物の明暗にあづからずと云ことなし。人生平日の事物は、五倫の交際、衣食居を以て總綱とす。これよりして千變萬化に至る。

新字:天地相隔て相交る、これより無究の事物を生ず。人生亦彼此相隔て相交る、これより無数の事物をなす。若其条理明ならざるときは、事物其処を得ず、処を得ざるときは争ふ。無敵にして先勝、無形にして有形を破り、萌んとするの機微を制するもの、惣じて事物の明暗にあづからずと云ことなし。人生平日の事物は、五倫の交際、衣食居を以て総綱とす。これよりして千変万化に至る。

書き下し

天地相隔て相交る、これより無究の事物を生ず。人生亦彼此相隔て相交る、これより無數の事物をなす。若其條理明ならざるときは、事物其處を得ず、處を得ざるときは爭ふ。無敵にして先勝、無形にして有形を破り、萌んとするの機微を制するもの、惣じて事物の明暗にあづからずと云ことなし。人生平日の事物は、五倫の交際、衣食居を以て總綱とす。これよりして千變萬化に至る。

現代語訳

天地が隔たりながら交わる、そこから限りない事物が生まれる。人の生もまた、あれとこれが隔たりながら交わる、そこから数えきれない事物をなす。もしその条理が明らかでなければ、事物はそれぞれの所を得ず、所を得なければ争いになる。敵なくして先に勝ち、形なくして形あるものを破り、萌そうとする機微を制するものは、すべて事物の明暗に関わらないものはない。人生の平生の事物は、五倫の交わりと、衣・食・居を総綱とする。ここから千変万化に至る。

解説

人と人が隔たりながら交わることから、数え切れない事物が生じるという認識を示す段です。条理が明らかでないと、事物は居場所を得られず、そこから争いが起きると言います。戦いにおいても、敵なくして先に勝つ、形のないもので形あるものに勝つ、芽生える前の機微を抑えるといったことは、みな事物の明暗にかかっているとします。人生の平生の事物は、五倫の交際と衣食住が総綱で、ここから千変万化していくという整理です。いまの組織でも、争いや摩擦の多くは、役割や手順があいまいなことから始まります。事前に条理を整えておくことが、トラブルを未然に防ぐ最も現実的な方法です。

この章句が説くこと

事物条理機微争い予防五倫

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