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晏子春秋 / 諫下・景公欲以人禮葬走狗晏子諫

景公走狗死,公令外共之棺,內給之祭。晏子聞之,諫。公曰:「亦細物也,特以與左右為笑耳。「晏子曰:「君過矣,夫厚籍斂不以反民,棄貨財而笑左右,傲細民之憂,而崇左右之笑,則國亦無望已。且夫孤老凍餒而死,狗有祭;鰥寡不恤而死,狗有棺。行辟若此,百姓聞之,必怨吾君;諸侯聞之,必輕吾國。怨聚于百姓,而權輕于諸侯,而乃以為細物,君其圖之。」公曰:「善。」趣庖治狗,以會朝屬。

新字:景公走狗死,公令外共之棺,内給之祭。晏子聞之,諫。公曰:「亦細物也,特以与左右為笑耳。「晏子曰:「君過矣,夫厚籍斂不以反民,棄貨財而笑左右,傲細民之憂,而崇左右之笑,則国亦無望已。且夫孤老凍餒而死,狗有祭;鰥寡不恤而死,狗有棺。行辟若此,百姓聞之,必怨吾君;諸侯聞之,必軽吾国。怨聚于百姓,而権軽于諸侯,而乃以為細物,君其図之。」公曰:「善。」趣庖治狗,以会朝属。

書き下し

景公の走狗死し、公外に之が棺を共し、内に之が祭を給せしむ。晏子聞きて、諫む。公曰く、「亦た細物なり、特だ以て左右と笑いを為すのみ」と。晏子曰く、「君過てり。夫れ厚く籍斂して以て民に反さず、貨財を棄てて左右を笑わしめ、細民の憂いに傲りて、左右の笑いを崇ぶ、則ち国も亦た望み無きのみ。且つ夫れ孤老凍餒して死すれども、狗に祭有り。鰥寡恤まれずして死すれども、狗に棺有り。行いの辟なること此の若し、百姓之を聞かば、必ず吾が君を怨まん。諸侯之を聞かば、必ず吾が国を軽んぜん。怨み百姓に聚まり、権は諸侯に軽し、而して乃ち以て細物と為すは、君其れ之を図れ」と。公曰く、「善し」と。趣やかに庖に狗を治めしめ、以て朝属に会せしむ。

現代語訳

景公の走り犬が死ぬと、公は外では棺を用意させ、内では祭りを行わせました。晏子はそれを聞いて諫めました。公は言いました。「たいしたことではない。ただ側近たちと笑うためにやったことだ。」晏子は言いました。「殿は誤っておられます。民から重く取り立てて民に返さず、財貨を捨てて側近に笑わせ、貧しい民の憂いを軽んじて、側近の笑いを尊ぶのは、国にも望みがありません。孤児や老人が凍えて飢えて死んでも、犬には祭りがあります。身寄りのない者が救われずに死んでも、犬には棺があります。行いがこのように偏っていると、民が聞けば必ず我が君を恨むでしょう。諸侯が聞けば必ず我が国を軽んじるでしょう。恨みが民に集まり、威信が諸侯に軽んじられる、それなのに些細なことだと考えるのは、よくありません。殿はお考えください。」公は「その通りだ」と言い、急いで厨房に命じて犬を調理させ、朝廷の者たちと会食させました。

解説

景公が愛犬に棺と祭りを用意した小さな出来事に、晏子は「孤老が死んでも祭りはなく、犬には棺がある」という対比で諫めます。笑い話のつもりの景公に、民が聞けば恨み、諸侯が聞けば軽んじるという、評判の広がりを示しました。小さな行為が組織の優先順位を示す信号になる、という指摘です。公が犬を調理させて朝廷の者と会食に出す結末は、きっぱりとした処理です。経営でも、トップの些細な支出や振る舞いが、従業員にとっては会社の価値観の表れとして伝わります。何に資源を使うかが、組織の価値観を語ってしまう点を教えてくれる段です。

この章句が説くこと

優先順位評判諫言民の怨み価値観晏子春秋

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