伝習録 / 薛侃録
有一學者病目,戚戚甚憂。先生曰:「爾乃貴目賤心。」
新字:有一学者病目,戚戚甚憂。先生曰:「爾乃貴目賤心。」
書き下し
一学者有り、目を病み、戚戚として甚だ憂う。先生曰く、「爾は乃ち目を貴び心を賤しむ」と。
現代語訳
ある学ぶ者が目を病んで、ひどく憂えていた。先生は言った。「お前は目を貴び、心を賤しんでいる」。
解説
私たちは、体の不調には敏感に反応し、すぐに心配したり、治療を求めたりします。しかし、心の状態についてはどうでしょうか。心が濁ったり、不安に苛まれたりしても、体の不調と同じくらい真剣に受け止め、対処しようとしているでしょうか。この一言は、私たちが往々にして、目に見えるものや物質的なものを優先し、心の健康を軽んじていることへの警鐘です。本当に大切にすべきは何か、日々の優先順位を見つめ直すきっかけとなるでしょう。
この章句が説くこと
爾乃貴目賤心