晏子春秋 / 諫上・景公飲酒不恤天災致能歌者晏子諫
公下車從晏子曰:「寡人有罪,夫子倍棄不援,寡人不足以有約也,夫子不顧社稷百姓乎?願夫子之倖存寡人。寡人請奉齊國之粟米財貨,委之百姓,多寡輕重,惟夫子之令。」遂拜於途。晏子乃返,命稟巡氓,家有布縷之本而絕食者,使有終月之委;絕本之家,使有期年之食;無委積之氓,與之薪橑,使足以畢霖雨。令柏巡氓,家室不能禦者,予之金。巡求氓寡,用財乏者,死;三日而畢,後者若不用令之罪。公出舍,損肉撤酒,馬不食府粟,狗不食飦肉,辟拂嗛齊,酒徒減賜。三日,吏告畢上,貧氓萬七千家,用粟九十七萬鐘,薪橑萬三千乘,壞室二千七百家,用金三千,公然後就內退食,琴瑟不張,鐘鼓不陳。晏子請左右與可令歌舞足以留思虞者退之,辟拂三千,謝于下陳。人侍三,士侍四,出之關外也。
新字:公下車従晏子曰:「寡人有罪,夫子倍棄不援,寡人不足以有約也,夫子不顧社稷百姓乎?願夫子之倖存寡人。寡人請奉斉国之粟米財貨,委之百姓,多寡軽重,惟夫子之令。」遂拝於途。晏子乃返,命稟巡氓,家有布縷之本而絶食者,使有終月之委;絶本之家,使有期年之食;無委積之氓,与之薪橑,使足以畢霖雨。令柏巡氓,家室不能禦者,予之金。巡求氓寡,用財乏者,死;三日而畢,後者若不用令之罪。公出舎,損肉撤酒,馬不食府粟,狗不食飦肉,辟払嗛斉,酒徒減賜。三日,吏告畢上,貧氓万七千家,用粟九十七万鐘,薪橑万三千乗,壊室二千七百家,用金三千,公然後就内退食,琴瑟不張,鐘鼓不陳。晏子請左右与可令歌舞足以留思虞者退之,辟払三千,謝于下陳。人侍三,士侍四,出之関外也。
書き下し
公車より下りて晏子に従いて曰く、「寡人罪有り、夫子倍き棄てて援けず、寡人は以て約有るに足らず、夫子は社稷百姓を顧みざるか。願わくは夫子の寡人を存せんことを倖わん。寡人請う、斉国の粟米財貨を奉じて、之を百姓に委ね、多寡軽重は、惟だ夫子の令のままにせん」と。遂に途に拝す。晏子乃ち返り、稟に命じて氓を巡らしむ。家に布縷の本有りて食を絶つ者には、終月の委有らしめ、本を絶つ家には、期年の食有らしめ、委積無き氓には、薪橑を与えて、以て霖雨を畢うるに足らしむ。柏をして氓を巡らしめ、家室禦ぐ能わざる者には、之に金を予う。巡り求むること寡なく、財を用いること乏しき者は、死す。三日にして畢え、後るる者は令に若わざるの罪の若し。公は出でて舎り、肉を損じ酒を撤し、馬は府の粟を食らわず、狗は飦肉を食らわず、辟拂・嗛齊、酒徒は賜を減ず。三日にして、吏畢りを上げ告ぐ、貧氓萬七千家、粟を用いること九十七萬鐘、薪橑萬三千乗、壊室二千七百家、金を用いること三千。公然る後に内に就きて退き食し、琴瑟は張らず、鐘鼓は陳べず。晏子請いて左右の歌舞に与りて思虞を留むるに足る者を令して之を退け、辟拂三千は、下陳に謝す。人の侍ること三、士の侍ること四、之を関外に出だすなり。
現代語訳
公は車から降りて晏子に従い、言いました。「私に罪がある。先生は私を見捨てて助けてくださらないが、私一人では約束を守るに足りないし、先生は国家と民のことを顧みないおつもりか。どうか先生、私をお助けください。私は斉の国の穀物と財貨を差し出し、それを民に委ねよう。多い少ない、軽い重いは、すべて先生の命じるままにする。」そして道ばたで拝礼しました。晏子はそこで引き返し、倉の役人に命じて民を巡らせました。家に布や糸の元手があるのに食が尽きた者には一か月分を、元手を失った家には一年分の食糧を、蓄えのない民には薪を与えて長雨を乗り切るに足るようにしました。柏に民を巡らせ、家屋を守れない者には金を与えました。巡って探すのが少なく、財を使うのが乏しい者は死刑とし、三日で終わらせ、遅れる者は命令に従わない罪とされました。公は宮殿を出て仮住まいし、肉を減らし酒を片づけ、馬は役所の穀物を食べず、犬は肉を食べず、辟拂・嗛齊や酒の仲間への下賜も減らしました。三日して、役人が完了の報告を上げました。貧しい民は一万七千家、穀物は九十七万鐘、薪は一万三千乗、壊れた家は二千七百家、使った金は三千でした。公はその後で宮中に戻り、食事を控えめにし、琴や瑟は張らず、鐘や太鼓は並べませんでした。晏子は、側近のうち歌舞に関わって心を奪うような者を退けるよう請い、辟拂三千の者は下の座で詫びました。人の侍ること三、士の侍ること四とし、これらの者を関所の外に出したのです。
解説
この章句が説くこと
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