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正法眼蔵随聞記 / 巻五

世間の人も他にまじはらず、己れが家ばかりにて生長したる人は、心のまゝにふるまひ、己が心を先として、人目をしらす、人の心を兼ざる人は、必ずしもあしきなり、學道の用心も亦かくのことし、衆にまじはり師に順して、我見を立せす、心をあらためゆけば、たやすく道者となるなり、學道は先づすべからく貧を學すべし、名をすて利をすて、一切諂らふことなく、萬事なげすつれば必ずよき道人となるなり、

新字:世間の人も他にまじはらず、己れが家ばかりにて生長したる人は、心のまゝにふるまひ、己が心を先として、人目をしらす、人の心を兼ざる人は、必ずしもあしきなり、学道の用心も亦かくのことし、衆にまじはり師に順して、我見を立せす、心をあらためゆけば、たやすく道者となるなり、学道は先づすべからく貧を学すべし、名をすて利をすて、一切諂らふことなく、万事なげすつれば必ずよき道人となるなり、

書き下し

世間の人も他にまじはらず、己れが家ばかりにて生長したる人は、心のまゝにふるまひ、己が心を先として、人目をしらす、人の心を兼ざる人は、必ずしもあしきなり、学道の用心も亦かくのことし、衆にまじはり師に順して、我見を立せす、心をあらためゆけば、たやすく道者となるなり、学道は先づすべからく貧を学すべし、名をすて利をすて、一切諂らふことなく、万事なげすつれば必ずよき道人となるなり、

現代語訳

世間の人も、他人にまじわらず、自分の家ばかりで育った人は、心のままにふるまい、自分の心を先として人目を知らず、人の心を思いはかることのない人は、必ず悪いのである。学道の心得もまたこのようである。衆にまじわり師に順じて、我見を立てず、心を改めていけば、たやすく道者となるのである。学道はまずすべからく貧を学ぶべきである。名を捨て利を捨て、いっさい諂うことなく、万事を投げ捨てれば、必ずよい道人となるのである。

解説

内に閉じて育つことの弊を、世間の例で示してから学道に当てはめる。人にまじわることが我見を崩す手段として位置づけられており、独りで修めることの限界が語られている。最後は、名と利を捨て諂わないという三つの具体で締められ、貧を学べという主題に戻る。独りでいると自分の見方だけが正しく見えてくる。人に会うことが、その補正の役をしている。

この章句が説くこと

衆我見随順貧名利諂い

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