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正法眼蔵随聞記 / 巻一

今の衲子も是らほどの心を一度發すべきなり、命を輕じ衆生を憐む心深くして、身を佛制に任ぜんと思ふ心を發すべし、若し先きより此の心一念も有らば失なはじと保つべし、是れほどの心一度おこさずして佛法を悟ることは有るべからざるなり、

新字:今の衲子も是らほどの心を一度発すべきなり、命を軽じ衆生を憐む心深くして、身を仏制に任ぜんと思ふ心を発すべし、若し先きより此の心一念も有らば失なはじと保つべし、是れほどの心一度おこさずして仏法を悟ることは有るべからざるなり、

書き下し

今の衲子も是らほどの心を一度発すべきなり、命を軽じ衆生を憐む心深くして、身を仏制に任ぜんと思ふ心を発すべし、若し先きより此の心一念も有らば失なはじと保つべし、是れほどの心一度おこさずして仏法を悟ることは有るべからざるなり、

現代語訳

今の修行僧も、これほどの心を一度は起こすべきである。命を軽んじ、衆生を憐れむ心を深くして、身を仏の制に任せようと思う心を起こすべきである。もし以前からこの心が一念でもあるならば、失うまいと保つべきである。これほどの心を一度も起こさずに仏法を悟ることは、ありえないのである。

解説

逸話を聞かせて終わりにせず、聞き手の側へ引き渡す一段である。求められているのは一生その心を保つことではなく、まず一度起こすこと、そしてすでにあるなら失わないことだと段階を分けている。逆に、それが一度もない者が悟ることはないと言い切る。随聞記の説話は、たいていこの形で聞き手の現在に接続される。

この章句が説くこと

発心一念覚悟慈悲保持悟り

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