幽夢影 / 巻下・書籍を以て友朋に當つ
居城市中,當以畫幅當山水,以盆景當苑囿,以書籍當友朋。
新字:居城市中,当以画幅当山水,以盆景当苑囿,以書籍当友朋。
書き下し
城市の中に居らば、當に畫幅を以て山水に當て、盆景を以て苑囿に當て、書籍を以て友朋に當つべし。
現代語訳
町中に住むなら、掛け軸の絵を山水の代わりとし、盆景を庭園の代わりとし、書物を友の代わりとするのがよいのです。
解説
町暮らしの中で、山林の楽しみを手に入れる工夫を述べた一則です。本物の山水に出かけられないなら、山水画を掛けて眺めます。広い庭がなければ、鉢の中に山や木を配した盆景で庭園の趣を味わいます。語り合う友が近くにいなければ、書物の中の古人を友とします。どれも小さな代わりのものに大きな世界を見立てる、文人の知恵です。友人の周星遠は「やはり心斎は独りで楽しむほうに傾いている」と冷やかし、王司直は「心斎先生はもう絵の中に身を置いている」と評しています。都会の狭い部屋でも、一枚の絵や一鉢の植物、一冊の本があれば、心の中に広い世界を持つことができます。
この章句が説くこと
閑適見立て読書盆景都会
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