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幽夢影 / 巻下・文人は好んで富人を鄙薄す

文人每好鄙薄富人,然於詩文之佳者,又往往以金玉珠璣錦繡譽之,則又何也?

新字:文人毎好鄙薄富人,然於詩文之佳者,又往往以金玉珠璣錦繍誉之,則又何也?

書き下し

文人は每に好んで富人を鄙薄す、然れども詩文の佳なる者に於ては、又往往にして金玉珠璣錦繡を以て之を譽む、則ち又何ぞや。

現代語訳

文人はいつも好んで金持ちを見下します。ところが、すぐれた詩文については、しばしば金や玉、真珠や錦の織物にたとえてほめたたえます。これはまたどういうわけでしょうか。

解説

文人の言葉に潜む矛盾を、張潮自身が文人でありながら突いてみせた一則です。文人は清貧を誇り、財産を持つ者を俗物として軽んじがちでした。ところが、よい文章をほめるときには、珠玉の名文、錦繡の文章というように、富の象徴である宝物を持ち出します。口では富を軽蔑しながら、心の底では富の価値を認めているのではないかというわけです。友人の江含徴は「金持ちが嫌われるのはけちで俗だからで、宝そのものが嫌われるのではない」と答え、張竹坡は「文がなければ貧しくても卑しく、文があれば富んでいても敬うべきだ」と言っています。自分の言葉づかいに、隠れた本音が出ていないか見直したくなる一則です。

この章句が説くこと

清貧文人矛盾見方

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