酔古堂剣掃 / 集綺・花に獨り蘊むの香有り
酒有難懸之色,花有獨蘊之香。以此想紅顏媚骨,便可得之格外。
新字:酒有難懸之色,花有独蘊之香。以此想紅顔媚骨,便可得之格外。
書き下し
酒に懸け難きの色有り、花に獨り蘊むの香有り。 此を以て紅顏媚骨を想へば、便ち之を格外に得べし。
現代語訳
酒には、言葉で掲げて示すことのできない色合いがあり、花には、ひとり内に秘めた香りがあります。このことから美しい人のなまめかしい気品を思えば、それを常識の外に感じ取ることができます。
解説
言葉にできない魅力を、酒の色と花の香りにたとえて説いた一則です。酒には、看板に掲げて示すことのできない微妙な色合いがあり、花には、外にあふれ出るのではなく内に秘めた香りがあります。どちらも、はっきりと形にできない、奥に隠された良さです。著者は、美しい人の魅力もこれと同じで、容姿の整い方という決まった物差しの外にこそ、本当の魅力があると言います。格外は、決まった型や基準の外という意味です。人の良さは、見た目や経歴のように示しやすいものより、内に秘めた人柄や気品のように言葉にしにくいものにこそ宿ります。そうした魅力に気づける目を養いたいものです。
この章句が説くこと
品格美内面風雅香
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