養生訓 / 巻第二・総論下
一千金方に、常に鼻より淸氣を引入れ、口より濁氣を吐出す。入るゝ事多く、出す事すくなくす。出す時は、口をほそく開きて、少し吐くべし。一常の呼吸のいきは、ゆるやかにして、深く丹田に入るべし、急なるべからず。
新字:一千金方に、常に鼻より清気を引入れ、口より濁気を吐出す。入るゝ事多く、出す事すくなくす。出す時は、口をほそく開きて、少し吐くべし。一常の呼吸のいきは、ゆるやかにして、深く丹田に入るべし、急なるべからず。
書き下し
一千金方に、常に鼻より清気を引入れ、口より濁気を吐出す。入るる事多く、出す事すくなくす。出す時は、口をほそく開きて、少し吐くべし。一常の呼吸のいきは、ゆるやかにして、深く丹田に入るべし、急なるべからず。
現代語訳
『千金方』に、常に鼻から清らかな気を引き入れ、口から濁った気を吐き出す、入れることを多くし、出すことを少なくする、出すときは口を細く開いて少しずつ吐くべきである、とあります。普段の呼吸の息は、ゆったりとして深く丹田に入るようにすべきで、急いではいけません。
解説
『千金方』を引いて、鼻から清気を多く吸い、口を細く開けて濁気を少しずつ吐く呼吸法を示し、普段の息もゆっくり深く丹田に入れよと説いています。吸うことを多く、吐くことを少なくという教えは、気を惜しむ「嗇」の考えとも通じます。口をすぼめてゆっくり吐く呼吸は、今でも息切れの改善や心を落ち着ける方法として用いられています。日々の呼吸を少し意識するだけで、体も心も整えられるという身近な養生の知恵です。
この章句が説くこと
呼吸丹田千金方気養生
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