夜船閑話 / 本文
若人察せず觀照或は節を失し、志念或は度に過る則は、心火熾衝して、肺金焦薄す。金母苦しむ則は水子衰減す。母子互に疲傷して五位困倦し、六屬凌奪す。四大增損し各々百一の病を生ず。百藥功を立すること能はず、衆醫總に手を束ねて、終に告る處なきに到る。
新字:若人察せず観照或は節を失し、志念或は度に過る則は、心火熾衝して、肺金焦薄す。金母苦しむ則は水子衰減す。母子互に疲傷して五位困倦し、六属凌奪す。四大增損し各々百一の病を生ず。百薬功を立すること能はず、衆医総に手を束ねて、終に告る処なきに到る。
書き下し
若人察せず観照或は節を失し、志念或は度に過る則は、心火熾衝して、肺金焦薄す。金母苦しむ則は水子衰減す。母子互に疲傷して五位困倦し、六属凌奪す。四大增損し各々百一の病を生ず。百薬功を立すること能はず、衆医総に手を束ねて、終に告る処なきに到る。
現代語訳
もし人がこれに気づかず、観照が節度を失ったり、思いつめる心が度を越したりすると、心の火が激しく上に突き上げて、肺を焦がし弱らせる。母である肺が苦しめば、子である腎の水が衰える。母と子が互いに傷つき疲れて、五臓が疲弊し、六腑が侵され奪われる。体を構成する四大の均衡が崩れて、それぞれ百一の病が生じる。どんな薬も効かず、医者たちもみな手をこまねいて、ついにはどこにも訴えるところがなくなってしまう。
解説
考えすぎや思いつめが、どのように心身を壊していくかの説明である。心の火が上がり、肺を焦がし、それが腎の水を衰えさせ、連鎖的に全身が疲弊する。五行の相生関係で、肺は腎の母とされる。理論の枠組みは古いが、一つの不調が別の不調を呼び、ついには手の施しようがなくなるという描写は、ストレスによる不調の広がり方をよくとらえている。早い段階で思いつめる癖に気づくことの大切さを教えてくれる。
この章句が説くこと
思いつめストレス心火連鎖不調節度
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