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夜船閑話 / 序

住菴の諸子此心要を勤めて、はげみ進んで怠らずんば、禪病を治し勞疲を救ふのみにあらず。禪門向上の事に到て、年來疑團あらむ人々は、大に手を拍して大笑する底の大歡喜有らむ。何が故ぞ、月高して城影盡く。

新字:住菴の諸子此心要を勤めて、はげみ進んで怠らずんば、禅病を治し労疲を救ふのみにあらず。禅門向上の事に到て、年来疑団あらむ人々は、大に手を拍して大笑する底の大歓喜有らむ。何が故ぞ、月高して城影尽く。

書き下し

住菴の諸子此心要を勤めて、はげみ進んで怠らずんば、禅病を治し労疲を救ふのみにあらず。禅門向上の事に到て、年来疑団あらむ人々は、大に手を拍して大笑する底の大歓喜有らむ。何が故ぞ、月高して城影尽く。

現代語訳

庵に住む弟子たちよ、この心の要に努め、励み進んで怠らなければ、禅の病を治し疲れを救うだけではない。禅門の向上の事に至って、長年疑いの塊を抱えていた人々は、大いに手を打って大笑いするほどの大きな喜びを得るだろう。なぜか。月が高く昇れば、城の影は消え尽きるからである。

解説

序の結びである。内観は病を治すだけでなく、長年の疑問が晴れる悟りの喜びにまでつながる、と約束する。最後の一句が禅らしい。月が真上に昇れば城の影がなくなるように、心の火が降りて気が満ちれば、迷いの影は自然と消える。無理に影を消そうとしなくても、光の位置が変われば影はなくなる。悩みを一つずつ潰そうとするより、自分の在り方の高さを変えることで解決するという発想を示している。
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この章句が説くこと

悟り疑団向上月影内観

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