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大和俗訓 / 巻之四・心術下

一上代よりこのかた、誠は日々におとろへ、飾は日々にさかんなり。奢は彌まさり、儉約は彌すたる。質朴をばいやしみ、華美をば譽む。今の世に道を行はゞ、虛り飾をやめて、古風に立ちかへり、すなほにして眞實なるをたつとびつとむべし。眞實なれば、人も感じてしたがひやすし、時俗にうつり行くべからず。

新字:一上代よりこのかた、誠は日々におとろへ、飾は日々にさかんなり。奢は弥まさり、倹約は弥すたる。質朴をばいやしみ、華美をば誉む。今の世に道を行はゞ、虚り飾をやめて、古風に立ちかへり、すなほにして真実なるをたつとびつとむべし。真実なれば、人も感じてしたがひやすし、時俗にうつり行くべからず。

書き下し

一上代よりこのかた、誠は日々におとろへ、飾は日々にさかんなり。奢は弥まさり、倹約は弥すたる。質朴をばいやしみ、華美をば誉む。今の世に道を行はば、虚り飾をやめて、古風に立ちかへり、すなほにして真実なるをたつとびつとむべし。真実なれば、人も感じてしたがひやすし、時俗にうつり行くべからず。

現代語訳

上古からこのかた、誠は日ごとに衰え、飾りは日ごとに盛んになっています。おごりはいよいよ増し、倹約はいよいよすたれます。質朴をいやしみ、華美をほめます。今の世で道を行おうとするなら、偽りの飾りをやめて古風に立ち返り、素直で真実であることを尊び努めるべきです。真実であれば、人も感じ入って従いやすいものです。時流に流されてはいけません。

解説

世の中は時代が下るにつれて誠が薄れ、うわべの飾りや贅沢が増していくという、益軒の時代観が表れた一条です。元禄期の華やかな町人文化を経た江戸中期を生きた益軒にとって、華美を好む風潮は身近な憂いだったのでしょう。飾りをやめて素直で真実なあり方に戻れば、人も自然についてくると述べます。見栄えや演出が重視されがちな現代の広告やSNSにも通じる指摘で、質素で誠実な姿勢こそが長く信頼を得る道だと教えてくれます。

この章句が説くこと

誠倹約質朴華美真実

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