うひ山ぶみ / 第四十八段
又伊勢源氏その外も、物語書どもをも、つねに見るべし、
書き下し
又伊勢源氏その外も、物語書どもをも、つねに見るべし、
現代語訳
また『伊勢物語』『源氏物語』そのほか、物語の書もつねに見るべきである。
解説
歌に加えて物語も読めという指示である。奥の注は極めて短く、「此事の子細は、源氏物語の玉の小櫛に、くはしくいへれば、こゝにはもらしつ」——詳細は『源氏物語玉の小櫛』に述べたのでここでは省く、とだけ記す。その『玉の小櫛』こそ、宣長が「もののあはれ」論を展開した書である。『源氏物語』を勧善懲悪や仏教的な教訓の書として読む従来の解釈を退け、人の心の動きそのものを描いた書として読み直した仕事で、日本の文学批評史の画期とされる。この一行の背後に、宣長のもう一つの大きな仕事が控えている。
この章句が説くこと
源氏物語伊勢物語もののあはれ玉の小櫛物語
関連する章句
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