うひ山ぶみ / 第四十七段
後世風の中にも、さまざまよきあしきふりふりあるを、よくえらびてならふべき也、
書き下し
後世風の中にも、さまざまよきあしきふりふりあるを、よくえらびてならふべき也、
現代語訳
後世風の中にも、さまざまな良し悪しの風があるので、よく選んで習うべきである。
解説
後世風も学べと言ったうえで、その中も一様ではないと注意する。奥の注では、古今集から新続古今集まで各勅撰集を一つずつ評価していく。古今集は選定が精密で悪い歌が少なく、古風と後世風の中間にあって古風を学ぶ者の手本にもなる。後撰集・拾遺集は選び方が粗い。新古今集はその時代の名手たちの歌が別格で、後世風としては比類なく面白く心深い、と。古風家が新古今を悪く言うのは「みだりなる强ごと」だとまで書く。大きな括りで評価を決めず、中身を一つずつ見て判断する。この手間を惜しまないところに、宣長の批評家としての力量が出ている。
この章句が説くこと
選択眼勅撰集新古今批評後世風
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