うひ山ぶみ / 第四十一段
さて又段々學問に入たちて、事の大すぢも、大抵は合点のゆけるほどにもなりなば、いづれにもあれ、古書の注釋を作らんと、早く心がくべし、
新字:さて又段々学問に入たちて、事の大すぢも、大抵は合点のゆけるほどにもなりなば、いづれにもあれ、古書の注釈を作らんと、早く心がくべし、
書き下し
さて又段々学問に入たちて、事の大すぢも、大抵は合点のゆけるほどにもなりなば、いづれにもあれ、古書の注釈を作らんと、早く心がくべし、
現代語訳
さてまた次第に学問に入り込んで、事の大筋もおおよそ納得がいくほどになったら、どれでもよいから、古書の注釈を作ろうと、早く心がけるべきである。
解説
読む側から、書く側へ移れという指示である。大筋がつかめてきたら、何でもよいから注釈を作ることを早く心がけよ、と。奥の注はその効果を説明する。ただ何となく読むときは、どれほど詳しく見ようと思っても限りがあるが、自分で注釈を作ろうと心がけて見るときは、どの書でも格別に心がとまって見方が詳しくなり、それに伴って他にも得ることが多い、と。さらに「たとひ成就はせずといへども」——完成しなくても学問に大いに益がある、と付け加える。出力を前提にすると入力の質が変わるという、今も語られる原理である。
この章句が説くこと
注釈著述読書の質出力学問
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