うひ山ぶみ / 第三十四段
凡て件の書ども、かならずしも次第を定めてよむにも及ばず、たゞ便にまかせて、次第にかゝはらず、これをもかれをも見るべし、
書き下し
凡て件の書ども、かならずしも次第を定めてよむにも及ばず、たゞ便にまかせて、次第にかゝはらず、これをもかれをも見るべし、
現代語訳
総じてこれらの書物は、必ずしも順序を定めて読むには及ばない。ただ都合に任せて、順序にこだわらず、あれもこれも見るべきである。
解説
読む順序をあれこれ示してきた宣長が、ここで順序へのこだわりを解く。都合に任せて、順序を気にせず、あれもこれも読め、と。前段までの指示は、取りつく先がない人への手がかりであって、守らなければならない規則ではない。この緩め方は、書の前半で学び方は本人の心に任せてよいと述べたことと一貫している。手順を示しつつ、その手順に縛られるなと言い添える。順序を完璧に整えてから始めようとして、いつまでも始まらない。この落とし穴を宣長は知っていたのだろう。
この章句が説くこと
読書順柔軟性着手計画学び方
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