徒然草 / 第2段
いにしへの聖の御代の政をも忘れ、民の憂へ、國のそこなはるゝをも知らず、萬にきよらを盡して、いみじと思ひ、所狹きさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。「衣冠より馬車に至るまで、あるに隨ひてもちひよ。美麗を求むることなかれ。」とぞ九條殿の遺誡にもはべる。順徳院の、禁中の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉物はおろそかなるをもてよしとす。」とこそ侍れ。
新字:いにしへの聖の御代の政をも忘れ、民の憂へ、国のそこなはるゝをも知らず、万にきよらを尽して、いみじと思ひ、所狭きさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。「衣冠より馬車に至るまで、あるに随ひてもちひよ。美麗を求むることなかれ。」とぞ九条殿の遺誡にもはべる。順徳院の、禁中の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉物はおろそかなるをもてよしとす。」とこそ侍れ。
書き下し
いにしへの聖の御代の政をも忘れ、民の憂へ、国のそこなはるゝをも知らず、万にきよらを尽して、いみじと思ひ、所狭きさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。「衣冠より馬車に至るまで、あるに随ひてもちひよ。美麗を求むることなかれ。」とぞ九条殿の遺誡にもはべる。順徳院の、禁中の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉物はおろそかなるをもてよしとす。」とこそ侍れ。
現代語訳
昔の聖天子の御代の政治のことも忘れ、民の嘆きや国が傷むことも知らず、万事に贅を尽くして、それを立派だと思い、大げさな様子をしている人は、嘆かわしく、思慮の浅い人に見える。「衣冠から牛車に至るまで、有り合わせのものを使いなさい。美麗を求めてはならない。」と、九条殿の遺誡にも書かれている。順徳院が宮中の作法について書かれた書にも、「朝廷にお仕えする物は質素であるのをよしとする。」とある。
解説
この章句が説くこと
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『甲陽軍鑑』品第四十八扨また諸人の批判には、さいげんなき法花坊機にあがらん、又はあぶられんとのさた也、奉行衆も此以前岩村田法華坊主、何にても證拠なきさへ以て御分国をはらはるゝ、まして是は大方の御成敗にては有間敷、いそぎ改め出し、日記に付、言上申べしとて書立を以て申上る、
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『政談』諸役人職分支配を分つ事譬へは国境郷村の境山垂れ等分明ならす、度々所々の公事絶ゆることなし、是兼ねて其の所を支配する人明かに我か支配を知らぬ故なり、其の支配所を知りて事出つへき所は下より申し出てすとも、申し立てゝ御当家の御定めありたきことなり、御当家の御定め無きに遠国の事を在江戸の奉行之を捌かんとするとも詮方なし、これによりてかろきみのう撿使につかはせはかりもの格を取証拠無けれは捌かれぬ故小田原又は信玄又は信長公又は太閤なとのときの奉行の書物を証拠とす、これは先方の時分にて惣体の模様違ひたる時代を証拠に引くこと埓もなきことなり、或は室町家或は鎌倉或は往古の綸旨等を証拠に引くも年数遥かに隔りて埓もなきことは、是れ皆奉行をする面々兎角何ことも先例を引き付けたるくせにて引くましき先例を引く也、是れ皆御当家の御定めなき故也、
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尚書・周官古に學びて官に入り、事を議するに制を以てすれば、政乃ち迷わず。
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『春秋左氏伝』昭公二十六年 王子朝の檄文天周を弔(あはれ)まず、王昏くして若(したが)はず、用って厥の位を愆(うしな)ふ。攜王(けいおう)命を奸(をか)す。諸侯之を替へて、王嗣を建て、用って郟鄏(こうじょく)に遷る。則ち是れ兄弟の能く力を王室に用ふるなり。惠王に至り、天周を靖んぜず、頹に禍心を生じ、叔帶に施(およ)ぶ。惠・襄難を辟け、王都を越え去る。則ち晉・鄭有りて、咸(みな)不端を黜け、以って王家を綏定す。則ち是れ兄弟の能く先王の命に率ふなり。定王の六年に在りて、秦人妖を降して曰く、『周其れ髭王有らん。亦た克く其の職を脩め、諸侯服享し、二世職を共にせん。王室其れ王位を間(うかが)ふもの有らん。諸侯圖らずして、其の亂災を受けん』と。靈王に至り、生まれながらにして髭有り。王甚だ神聖にして、諸侯に惡まるること無し。靈王・景王、克く其の世を終ふ。今王室亂る。單旗・劉狄、天下を剝亂し、壹に若はざるを行ひ、謂ふ、『先王何の常か之れ有らん。唯だ余が心の命ずる所なり。其れ誰か敢へて之を請はん』と。群不弔の人を帥ゐて、以って亂を王室に行ひ、侵欲厭くこと無く、規求度無し。
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