酔古堂剣掃 / 集倩・友人の鬼を說くを聽く
明窗凈幾,好香苦茗,有時與高衲談禪;豆棚菜圃,暖日和風,無事聽友人說鬼。
新字:明窗浄幾,好香苦茗,有時与高衲談禅;豆棚菜圃,暖日和風,無事聴友人説鬼。
書き下し
明窗凈幾、好香苦茗、時有りて高衲と禪を談ず。 豆棚菜圃、暖日和風、事無くして友人の鬼を說くを聽く。
現代語訳
明るい窓と清らかな机、よい香とほろ苦い茶、ときには徳の高い僧と禅について語り合います。豆の棚と野菜畑、暖かな日差しとやわらかな風、用事もなく友人が話す怪談に耳を傾けます。
解説
室内での高尚な語らいと、屋外でののんびりした雑談を対にした一則です。明窓浄几は明るい窓と塵のない机で、宋の欧陽脩の言葉以来、読書に最適な書斎の形容として知られます。高衲は徳の高い僧のことで、香を焚き茶を飲みながら禅の奥義を語り合う、張りつめた知的な時間です。一方、豆棚菜圃は豆のつるをはわせた棚と野菜畑で、暖かい日差しの中、友人の語る鬼、つまり幽霊や怪異の話を聞いて楽しみます。北宋の蘇軾は、人に無理にでも怪談を話させ、話がないと言われると、でたらめでもいいから話してくれと頼んだと伝えられます。高尚なことばかりでなく、他愛ない話に興じる時間も同じように大切だという、バランスのとれた暮らしぶりが見えます。
この章句が説くこと
禅交友閑適書斎雑談
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