酔古堂剣掃 / 集素・淨幾明窗、一甌の茶、一爐の香
淨幾明窗,一軸畫,一囊琴,一隻鶴,一甌茶,一爐香,一部法帖;小園幽徑,幾叢花,幾群鳥,幾區亭,幾拳石,幾池水,幾片閒雲。
新字:浄幾明窗,一軸画,一嚢琴,一隻鶴,一甌茶,一炉香,一部法帖;小園幽径,幾叢花,幾群鳥,幾区亭,幾拳石,幾池水,幾片閒雲。
書き下し
淨幾明窗、一軸の畫、一囊の琴、一隻の鶴、一甌の茶、一爐の香、一部の法帖。 小園幽徑、幾叢の花、幾群の鳥、幾區の亭、幾拳の石、幾池の水、幾片の閒雲。
現代語訳
清らかな机と明るい窓に、掛け軸一幅、袋入りの琴一張、鶴一羽、茶一碗、香炉一つ、法帖一部。小さな庭と奥まった小道に、いくむらかの花、いくつかの鳥の群れ、いくつかの東屋、いくつかの拳ほどの石、いくつかの池の水、いくひらかののどかな雲。
解説
理想の書斎と庭を、名詞を並べるだけで描き出した一則です。前半は室内で、すべて一つずつ、後半は庭で、すべて幾つかずつと、数の言い方を揃えた整った構成になっています。一嚢琴は袋に入れた琴、一甌茶は一碗の茶、法帖は手本となる名筆の拓本や写しです。幾拳石は拳ほどの大きさの石で、庭に置く小さな奇石を指します。室内の物は一つずつで足り、庭のものはいくつかあればよいという控えめさが、集素らしい簡素な美を感じさせます。多すぎず少なすぎず、好きなものだけに囲まれて暮らす心地よさは、今日の住まいづくりにも通じる理想です。
この章句が説くこと
風雅書斎閑適簡素住まい
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『酔古堂剣掃』集靈・疏簾を卷きて鶴を看る書屋の前、曲檻を列ねて花を栽ゑ、方池を鑿ちて月を浸し、活水を引きて魚を養ふ。小窗の下、清香を焚きて書を讀み、淨幾を設けて琴を鼓し、疏簾を卷きて鶴を看、高樓に登りて酒を飲む。
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