酔古堂剣掃 / 集靈・疏簾を卷きて鶴を看る
書屋前,列曲檻栽花,鑿方池浸月,引活水養魚;小窗下,焚清香讀書,設淨幾鼓琴,卷疏簾看鶴,登高樓飲酒。
新字:書屋前,列曲檻栽花,鑿方池浸月,引活水養魚;小窗下,焚清香読書,設浄幾鼓琴,巻疏簾看鶴,登高楼飲酒。
書き下し
書屋の前、曲檻を列ねて花を栽ゑ、方池を鑿ちて月を浸し、活水を引きて魚を養ふ。小窗の下、清香を焚きて書を讀み、淨幾を設けて琴を鼓し、疏簾を卷きて鶴を看、高樓に登りて酒を飲む。
現代語訳
書斎の前には、折れ曲がった欄干を並べて花を植え、四角い池を掘って月を映し、流れる水を引き入れて魚を飼います。小さな窓の下では、清らかな香を焚いて書を読み、清潔な机を据えて琴を弾き、目の粗い簾を巻き上げて鶴を眺め、高い楼に登って酒を飲みます。
解説
理想の書斎の周りの暮らしを、動作を並べて描いた一則です。前半は書斎の外の庭づくりで、花、月、魚という、植物と天体と生き物がそろっています。曲檻は折れ曲がった欄干、方池は四角い池、活水は流れて淀まない水のことです。後半は書斎の中と周りでの楽しみで、香、書物、琴、鶴、酒という文人の好むものが次々に登場します。疏簾は目の粗いすだれです。これだけの屋敷を持つのは難しいにしても、自分の机の周りに、植物を一鉢、好きな香り、読みかけの本を置くだけでも、学びと休息のための小さな書斎をつくることはできます。
この章句が説くこと
風雅読書庭園閑適書斎
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