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酔古堂剣掃 / 集素・明窗の下に圖史琴尊を羅列す

明窗之下,羅列圖史琴尊以自娛。有興則泛小舟,吟嘯覽古於江山之間。渚茶野釀,足以消憂;蓴鱸稻蟹,足以適口。又多高僧隱士,佛廟絕勝。家有園林,珍花奇石,曲沼高台,魚鳥流連,不覺日暮。

新字:明窗之下,羅列図史琴尊以自娯。有興則泛小舟,吟嘯覧古於江山之間。渚茶野醸,足以消憂;蓴鱸稲蟹,足以適口。又多高僧隠士,仏廟絶勝。家有園林,珍花奇石,曲沼高台,魚鳥流連,不覚日暮。

書き下し

明窗の下、圖史琴尊を羅列して以て自ら娛しむ。 興有れば則ち小舟を泛べ、江山の間に吟嘯し古を覽る。 渚茶野釀、以て憂ひを消すに足り、蓴鱸稻蟹、以て口に適ふに足る。 又た高僧隱士多く、佛廟絕勝なり。 家に園林有り、珍花奇石、曲沼高台、魚鳥流連して、日の暮るるを覺えず。

現代語訳

明るい窓の下に、図画や書物、琴や酒樽を並べて、自分ひとりで楽しみます。興が湧けば小舟を浮かべ、川と山のあいだで詩を口ずさみ、古跡を見て回ります。水辺の茶や村の酒は憂いを消すのに十分で、蓴菜や鱸、米や蟹は口を満たすのに十分です。そのうえ徳の高い僧や隠者が多く、寺院はすぐれた景勝の地にあります。家には庭園があり、珍しい花や奇妙な石、曲がりくねった池や高い台があって、魚や鳥に見とれているうちに日が暮れるのも気づきません。

解説

水郷の暮らしの楽しみを、書斎、舟遊び、飲食、交友、庭園の順に並べた一則です。圖史は図画と歴史書、琴尊は琴と酒樽で、文人の身の回りの道具を指します。渚茶野釀と蓴鱸稻蟹は対になり、心を慰めるものと口を喜ばせるものを分けて挙げています。蓴菜と鱸は、晋の張翰が故郷の味を思って官を辞めた故事で知られる江南の名物です。高僧や隠士との交わりまで含め、物だけでなく人と景色がそろってこその暮らしだと示しています。自分の住む土地の食べ物や景色、人を数え上げてみると、足りているものの多さに気づけるかもしれません。

この章句が説くこと

閑適隠逸風雅読書郷土

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