酔古堂剣掃 / 集倩・俗病を醫すは書に如くは莫し
醫俗病莫如書,贈酒狂莫如月。
新字:医俗病莫如書,贈酒狂莫如月。
書き下し
俗病を醫すは書に如くは莫く、酒狂に贈るは月に如くは莫し。
現代語訳
俗っぽさという病を治すには書物に及ぶものはなく、酒に狂う人に贈るには月に及ぶものはありません。
解説
書と月をそれぞれ薬と贈り物に見立てた、短く気の利いた対句です。俗病は、心が世俗の利欲や浅はかさに染まってしまった状態を病にたとえた言葉です。北宋の黄庭堅は、士大夫が三日も書を読まなければ顔つきが卑しくなり言葉に味がなくなる、と言ったと伝えられ、読書が俗を去る薬だという考えは文人の間に広く共有されていました。後半の酒狂は、酒に酔って狂おしいほど興じる人のことです。そういう人には、どんな品物より月こそがふさわしい贈り物だと言います。李白が月を愛し酒を愛したことを思えば、酒と月の取り合わせの妙がよくわかります。心が俗っぽくなったと感じたら本を開き、心が高ぶったら月を見上げる、そんな心の整え方を教えてくれる句です。
この章句が説くこと
読書月飲酒脱俗修身
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