酔古堂剣掃 / 集素・對飲は惟だ明月のみ
入室許清風,對飲惟明月。
新字:入室許清風,対飲惟明月。
書き下し
室に入るは清風を許し、對飲は惟だ明月のみ。
現代語訳
部屋に入ることを許すのは清らかな風だけで、差し向かいで酒を飲む相手は明るい月だけです。
解説
俗な客を寄せつけず、風と月だけを友とする孤高の暮らしを、わずか十字で描いた対句です。前半は、部屋に入ってよいのは清風だけだと言い、世俗の人の訪問を暗に断っています。後半は、唐の李白の月下独酌の詩で、杯を挙げて明月を迎え、影と合わせて三人となると歌った姿を思わせます。人を拒むというと冷たく聞こえますが、ここにあるのは寂しさではなく、清らかな自然と心を通わせる満ち足りた孤独です。一人でいることを寂しさではなく、自由として楽しめるかどうかで、心の豊かさは大きく変わります。ときには一人の時間を、風や月を相手に楽しんでみたいものです。
この章句が説くこと
孤高閑適明月清風李白
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