酔古堂剣掃 / 集韻・月來たりて俗を洗ふ
春光濃似酒,花故醉人,夜色澄如水,月來洗俗。
新字:春光濃似酒,花故酔人,夜色澄如水,月来洗俗。
書き下し
春光濃やかなること酒に似たり、花故に人を醉はしむ。夜色澄めること水の如し、月來たりて俗を洗ふ。
現代語訳
春の光は酒のように濃厚で、だから花が人を酔わせるのです。夜の景色は水のように澄みわたり、月が昇ってきて俗塵を洗い流します。
解説
春の昼と夜を、酒と水の二つにたとえた対句です。昼の春の光は濃く甘く、まるで酒のようで、その中に咲く花に人は酔ってしまいます。夜になると景色は水のように澄み、昇ってきた月がその清らかな光で心の俗っぽさを洗い流してくれます。酔わせるものと醒ますもの、濃いものと澄んだものを並べた構図が見事です。一日の中にも、心が高ぶる時間と静まる時間があります。昼の賑わいを楽しんだあと、夜には月を眺めて心を澄ませる、そうした緩急のある一日の過ごし方は、今の暮らしでも心の健やかさを保つ助けになるでしょう。
この章句が説くこと
風雅自然月春閑適
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