酔古堂剣掃 / 集韻・詩は寂寥の花を慰む
酒澆清苦月,詩慰寂寥花。
書き下し
酒は清苦の月に澆ぎ、詩は寂寥の花を慰む。
現代語訳
酒は清らかで寂しげな月に注いで慰め、詩はひっそりと咲く寂しい花を慰めます。
解説
月や花を慰める側に回る、文人のやさしい眼差しを詠んだ五言の対句です。清苦はもともと清らかで貧しく苦しいことを言いますが、ここでは冷たく澄んだ月の寂しげな様子を人に見立てています。澆は酒を注ぐこと、寂寥はひっそりとして物寂しいことです。ふつうは月や花が人を慰めるものですが、この句では人の側が酒を注ぎ詩を詠んで、月や花の寂しさを慰めてやるのです。自然をただ眺める対象ではなく、心を通わせる相手と見る姿勢がうかがえます。慰められることばかりを求めず、自分から何かを慰める側に立つとき、人の心はかえって満たされるものです。
この章句が説くこと
風雅詩酒自然慈愛閑適
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