酔古堂剣掃 / 集靈・徒らに書廚と號す
有書癖而無剪裁,徒號書廚;惟名飲而少醞藉,終非名飲。
新字:有書癖而無剪裁,徒号書廚;惟名飲而少醞藉,終非名飲。
書き下し
書癖有りて剪裁無ければ、徒らに書廚と號す。惟だ名飲にして醞藉少なければ、終に名飲に非ず。
現代語訳
本好きであっても、読んだものを取捨選択して自分のものにする力がなければ、ただ本棚と呼ばれるだけです。酒飲みとして名が通っていても、ゆとりや品のある飲み方でなければ、結局は本当の酒の名人ではありません。
解説
読書と飲酒について、量より質を問うた一則です。書癖は本を読む癖、剪裁は布を裁って衣服に仕立てるように、材料を取捨選択してまとめる力です。書廚は本棚のことで、南朝の陸澄が博学なのに文章が書けず、書廚と笑われた話が知られています。名飲は酒豪として名高いこと、醞藉は内に含みのあるゆとりや品のよさです。どれだけ多くの本を読んでも、それを自分の考えにまとめられなければ、ただの物知りにすぎません。酒も、たくさん飲めるだけでは自慢になりません。量を誇るより、それをどう自分の中で生かし、どう楽しむかに、その人の品格が表れるのです。
この章句が説くこと
読書学問品格酒見識
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