酔古堂剣掃 / 集倩・小橋に月上る
小橋月上,仰盼星光,浮雲往來,掩映於牛渚之間,別是一種晚眺。
新字:小橋月上,仰盼星光,浮雲往来,掩映於牛渚之間,別是一種晩眺。
書き下し
小橋に月上り、仰ぎて星光を盼れば、浮雲往來し、牛渚の間に掩映す、別に是れ一種の晚眺なり。
現代語訳
小さな橋の上に月が昇り、仰いで星の光を眺めていると、浮き雲が行き来して、牛渚のあたりで光を覆ったり映したりしています。これはまた格別な夕暮れの眺めです。
解説
小橋から見上げる夜空の、刻々と変わる美しさを描いた一則です。盼はじっと見つめること、掩映は覆ったり照らしたりして、見え隠れするさまです。牛渚は長江のほとり、今の安徽省にある采石磯の古い名で、東晋の謝尚が月夜に舟を浮かべ、袁宏の詠史の詩を聞いてその才を認めたという故事の地としても知られます。ただ、ここは星空を仰ぐ文脈なので、星座の牛宿と斗宿を指す牛斗の書き誤りとも考えられます。どちらにしても、月と星と雲が織りなす夜空の移り変わりを楽しんでいる姿が浮かびます。晩眺は夕方から夜にかけての眺めです。帰り道に橋の上で立ち止まり、空を見上げるだけで、一日の終わりに特別な時間が生まれるものです。
この章句が説くこと
夜景月星風景閑適
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