酔古堂剣掃 / 集素・明月を天衢に步む
步明月於天衢,覽錦雲於江閣。
新字:歩明月於天衢,覧錦雲於江閣。
書き下し
明月を天衢に步み、錦雲を江閣に覽る。
現代語訳
明るい月の光を浴びて天の大通りを歩み、錦のような雲を川辺の楼閣から眺めます。
解説
天と川辺という二つの場所で、月と雲を味わう壮大な情景を描いた対句です。天衢は天の大通りで、空を道に見立てた言葉です。月明かりの下を歩くことを、天の道を歩むかのように大きく表現しています。錦雲は夕焼けなどで錦のように色づいた雲、江閣は川のほとりの高殿です。地上にいながら天を歩むように感じ、楼閣から雲を眺めて心を遊ばせる。わずか十二字で、身は小さくても心は天地に広がる境地を描いています。夜道を歩くときに月を見上げたり、高い所から夕焼けの雲を眺めたりするだけで、日常の景色が一瞬で壮大な舞台に変わることを思い出させてくれます。
この章句が説くこと
自然月雲風雅心境
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