酔古堂剣掃 / 集倩・淡酒は以て清客を待す
甘酒以待病客,辣酒以待飲客,苦酒以待豪客,淡酒以待清客,濁酒以待俗客。
書き下し
甘酒は以て病客を待し、辣酒は以て飲客を待し、苦酒は以て豪客を待し、淡酒は以て清客を待し、濁酒は以て俗客を待す。
現代語訳
甘い酒で病気の客をもてなし、辛い酒で酒好きの客をもてなし、苦い酒で豪快な客をもてなし、淡い酒で清らかな客をもてなし、濁り酒で俗な客をもてなします。
解説
酒の味を客の性格に合わせて出し分ける、主人の心配りを述べた一則です。甘い酒は体の弱った病客に優しく、辛くて強い酒は酒好きの飲客を満足させます。苦い酒を豪客に出すのは、豪快な人ほど癖のある味を喜ぶからでしょう。淡い酒を清客に出すのは、清らかな人には淡泊な味わいがふさわしいからです。そして最後に、濁り酒は俗な客に、とさらりと言ってのけるところに、ちくりとした皮肉が効いています。客によって出すものを変えるのは差別ではなく、相手に最もふさわしいものを見極めてもてなすという心遣いとも読めます。人をもてなすときや贈り物を選ぶとき、相手の好みや状態に合わせて選ぶ気配りは、今でも喜ばれる心得です。
この章句が説くこと
飲酒もてなし交友風雅諧謔
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