酔古堂剣掃 / 集倩・燈火青熒たり
歲行盡矣,風雨淒然,紙窗竹屋,燈火青熒,時於此間得小趣。
新字:歳行尽矣,風雨淒然,紙窗竹屋,灯火青熒,時於此間得小趣。
書き下し
歲行くゆく盡きんとす、風雨淒然たり、紙窗竹屋、燈火青熒たり、時に此の間に於て小趣を得。
現代語訳
一年がまもなく終わろうとしています。風雨がもの寂しく吹きつけ、紙を貼った窓と竹の家に、灯火が青白くちらちらと揺れています。ときおり、こうした中にささやかな趣を見いだします。
解説
年の暮れの寂しい夜に、小さな楽しみを見つける心を描いた一則です。歳行尽矣は一年が終わりに近づいたこと、淒然はもの寂しく冷え冷えとしたさまです。紙窓竹屋は質素な住まいで、そこで灯る明かりが青熒、つまり青白く小さく揺れている様子を描いています。華やかな年末の宴ではなく、風雨の音を聞きながら一人で灯火を見つめる夜です。それでも、著者はその中に小趣、つまりささやかな味わいを見いだしています。寂しさを嘆くのではなく、寂しさの中にしかない静かな美しさを味わっているのです。一年を振り返る年の瀬に、あわただしく過ごすのではなく、静かに灯りを見つめる時間を持つと、過ぎた日々がまた違って見えてくるかもしれません。
この章句が説くこと
年末清貧閑適灯火小趣
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