酔古堂剣掃 / 集景・神骨俱に仙なり
小窗偃臥,月影到床,或逗留於梧桐,或搖亂於楊柳;翠華撲被,神骨俱仙。及從竹裏流來,如自蒼雲吐出。
新字:小窗偃臥,月影到床,或逗留於梧桐,或揺乱於楊柳;翠華撲被,神骨倶仙。及従竹裏流来,如自蒼雲吐出。
書き下し
小窗に偃臥すれば、月影床に到り、或いは梧桐に逗留し、或いは楊柳に搖亂す。 翠華被を撲ち、神骨俱に仙なり。 竹裏より流れ來るに及びては、蒼雲より吐き出づるが如し。
現代語訳
小さな窓辺に横になっていると、月の光が寝床まで届き、あるときは青桐の枝にしばらく留まり、あるときは柳の枝の間で揺れ乱れます。緑の光が布団を打ち、心も骨もともに仙人になったかのようです。やがて月の光が竹林の中から流れ込んでくると、まるで青い雲の間から吐き出されてくるかのようです。
解説
寝床から窓越しに月の光の移ろいを眺める、静かな夜を描いた一則です。偃臥は、仰向けに寝そべることです。月の光が青桐に留まったり、柳の枝で揺れたりと、木々の間を移っていく様子が丁寧に描かれています。翠華は、木の葉を通して届く緑がかった月の光を言うとみられ、それが布団を打つと、心も体も仙人になったように感じると言います。最後は、月の光が竹林から流れ込んでくると、まるで青い雲から吐き出されたかのようだと結んでいます。光を水のように流れるものとして捉えているのが印象的です。寝る前に明かりを消して、窓から差し込む月の光を眺めるだけで、心が静まる夜を過ごせるでしょう。
この章句が説くこと
閑適月自然夜風雅
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