酔古堂剣掃 / 集倩・高客留連す
高客留連,花木添清疏之致;幽人剝啄,莓苔生淡冶之容。
新字:高客留連,花木添清疏之致;幽人剥啄,莓苔生淡冶之容。
書き下し
高客留連すれば、花木清疏の致を添へ、 幽人剝啄すれば、莓苔淡冶の容を生ず。
現代語訳
気高い客が名残りを惜しんで長く留まっていると、花や木々まで清らかでさっぱりした趣を添えます。世を離れた人が戸をたたいて訪れると、苔までも淡くあでやかな姿を見せます。
解説
すぐれた客の訪れが、庭の景色まで変えてしまうという一則です。高客は品格の高い客、留連は名残を惜しんでなかなか帰らないことです。そういう客がいると、花や木までが清らかでさっぱりとした趣を帯びるように見えると言います。後半の剥啄は戸をとんとんとたたく音で、幽人が訪ねてくる様子を表します。莓苔は苔、淡冶は淡い中にも艶のある美しさのことです。訪れる人の人柄が、その場の空気や景色の見え方まで変えるというのは、実感としてよくわかることです。私たちも、誰と過ごすかによって同じ場所が違って見える経験をしています。逆に言えば、自分が訪れた場所の空気を少しでも清らかにできるような人になりたいと思わせる句です。
この章句が説くこと
交友品格庭隠逸風雅
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