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酔古堂剣掃 / 集倩・霜前の菊を訪ふ

尋雪後之梅,幾忙騷客;訪霜前之菊,頗愜幽人。

書き下し

雪後の梅を尋ぬるは、幾ど騷客を忙しくす。 霜前の菊を訪ふは、頗る幽人に愜ふ。

現代語訳

雪の後の梅を探しに行くのは、詩人たちをずいぶん忙しくさせます。霜の降りる前の菊を訪ねるのは、世を離れた人の心にとてもよくかないます。

解説

梅と菊という二つの花を訪ねる楽しみを、訪ねる人の違いとあわせて対にした一則です。騒客は詩人のことで、屈原の「離騒」に由来する呼び名です。雪の中で咲く梅を探しに行くことは、唐の孟浩然が驢馬に乗って雪中に梅を探したという話で知られ、詩人たちの定番の風流でした。ただそれは寒い中を歩き回るので、幾忙、つまり慌ただしいものでもあります。これに対して霜の前の菊は、陶淵明が東の垣根の下で菊を採った姿と結びつき、静かに暮らす幽人にこそふさわしい花とされます。愜は心にかなう、気持ちよく満たされるという意味です。同じ花を愛でるにも、熱心に追い求める楽しみと、身近で静かに味わう楽しみがあるのです。

この章句が説くこと

隠逸風雅

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