酔古堂剣掃 / 集情・雪を掃ひて茶を烹る
臨風弄笛欄桿上,桂影一輪;掃雪烹茶籬落邊,梅花數點。
新字:臨風弄笛欄桿上,桂影一輪;掃雪烹茶籬落辺,梅花数点。
書き下し
風に臨みて笛を弄す欄桿の上、桂影一輪、雪を掃ひて茶を烹る籬落の邊、梅花數點。
現代語訳
風に向かって手すりのそばで笛を吹けば、月が一輪かかり、雪を払って垣根のほとりで茶を煮れば、梅の花が数輪咲いています。
解説
風雅な暮らしの二つの場面を、月と梅で描いた対句です。欄桿は手すり、桂影は月のことで、月には桂の木が生えているという伝説から、月影を桂影とも言いました。籬落は垣根のあたり、烹るは煮ることです。夜の笛と月、冬の茶と梅という取り合わせは、どちらも静かで清らかな楽しみです。大がかりな娯楽ではなく、手近な笛や茶と、季節がくれる月や梅だけで心が満たされるところに、この句の魅力があります。忙しい日々の中でも、季節の花を一輪眺めながらお茶を一杯いれる時間があれば、それだけで一日が豊かになります。
この章句が説くこと
風雅茶閑適月梅
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