酔古堂剣掃 / 集靈・雪後に梅を尋ね霜前に菊を訪ふ
雪後尋梅,霜前訪菊,雨際護蘭,風外聽竹;固野客之閒情,實文人之深趣。
新字:雪後尋梅,霜前訪菊,雨際護蘭,風外聴竹;固野客之閒情,実文人之深趣。
書き下し
雪後に梅を尋ね、霜前に菊を訪ひ、雨際に蘭を護り、風外に竹を聽く。固より野客の閒情にして、實に文人の深趣なり。
現代語訳
雪のあとに梅をたずね、霜の降りる前に菊を訪ね、雨の降るときに蘭をかばい、風の吹くあたりで竹の音を聴く。これはもとより田舎暮らしの人の気ままな楽しみですが、じつは文人の深い趣でもあります。
解説
梅・菊・蘭・竹という四君子を、季節と天候に合わせて楽しむ姿を並べた一則です。四君子は、気高さを君子になぞらえて文人が好んで描いた四つの植物です。雪の後の梅、霜を前にした菊は、寒さの中で咲く強さを味わうもので、雨の日に蘭を守り、風の中で竹のそよぎを聴くのは、繊細さを慈しむものです。野客は田舎に住む気ままな人、閒情はゆったりした心持ちを言います。どれもお金のかからない楽しみですが、季節の移ろいに心を配る細やかさが要ります。天気の悪い日も含めて季節を味わう心があれば、毎日の暮らしは豊かになります。
この章句が説くこと
風雅自然四君子閑適季節
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