酔古堂剣掃 / 集綺・騷人笛を弄す
窗外梅開,喜有騷人弄笛;石邊雪積,還須小妓烹茶。
新字:窗外梅開,喜有騷人弄笛;石辺雪積,還須小妓烹茶。
書き下し
窗外に梅開けば、騷人の笛を弄する有るを喜び、 石邊に雪積もれば、還た小妓の茶を烹るを須つ。
現代語訳
窓の外に梅が咲いたときは、詩人が笛を吹いてくれるのがうれしく、石のそばに雪が積もったときは、やはり若い芸妓が茶を煮てくれるのを待ちたいものです。
解説
冬から早春にかけての風雅な楽しみに、それにふさわしい人を添えた一則です。騷人は詩人のことで、屈原の『離騒』に由来する呼び名です。梅の花には笛の音がよく合い、唐の詩にも梅花落という笛の曲が詠まれています。梅の咲く窓辺で詩人が笛を吹けば、花と音と詩心が一つになります。後の句は、雪の積もった庭の石のそばで、若い女性が茶を煮る情景です。雪を溶かした水で茶を煮るのは、文人が好んだ冬の風流でした。景色だけでなく、その景色にふさわしい人と営みがそろってこそ、楽しみが完成するという考え方です。良い時と場所に、良い人がいてくれることのありがたさを思わせる句です。
この章句が説くこと
梅雪風雅茶交友
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