酔古堂剣掃 / 集倩・棋を邀へて雨窗に坐す
披帙橫風榻,邀棋坐雨窗。
新字:披帙横風榻,邀棋坐雨窗。
書き下し
帙を披きて風榻に橫たはり、棋を邀へて雨窗に坐す。
現代語訳
書物の覆いを開いて、風の通る寝台に横たわり、碁の相手を招いて、雨の降る窓辺に座ります。
解説
読書と囲碁という二つの楽しみを、風と雨の場面に配した短い対句です。帙は書物を包む布張りの覆いで、披帙はそれを開いて本を取り出すこと、つまり読書を始めることです。風榻は風通しのよい寝台で、横になりながら気ままに本を読む姿が浮かびます。後半は雨の日で、外に出られない代わりに碁の相手を呼んで、窓辺で一局を楽しみます。晴れの日には晴れの、雨の日には雨の楽しみがあるという、天候を選ばない心のゆとりが感じられます。雨の日を残念に思うのではなく、雨の日にしかできないことを楽しむという発想は、今の暮らしにもすぐ取り入れられます。予定が崩れた日にこそ、この句を思い出したいものです。
この章句が説くこと
読書囲碁閑適雨風雅