酔古堂剣掃 / 集倩・彼無く此無きの真機
樂意相關禽對語,生香不斷樹交花,是無彼無此真機;野色更無山隔斷,天光常與水相連,此徹上徹下真境。
新字:楽意相関禽対語,生香不断樹交花,是無彼無此真機;野色更無山隔断,天光常与水相連,此徹上徹下真境。
書き下し
樂意相關はりて禽對語し、生香斷えずして樹花を交ふ、是れ彼無く此無きの真機なり。 野色更に山の隔て斷つ無く、天光常に水と相連なる、此れ上に徹し下に徹するの真境なり。
現代語訳
楽しい気持ちが通い合って鳥たちが語り合い、生きた香りが絶えることなく木々が花を交わし合う、これは彼と此の区別のない真のはたらきです。野の景色はどこまでも山にさえぎられることがなく、空の光はいつも水とつながっている、これは上から下まで貫き通る真の境地です。
解説
自然の風景に、万物が一つにつながる道理を見た一則です。前半は、鳥どうしが楽しげに語り、木々が花の香りを交わす様子に、自分と他者の隔てのない生命のはたらきを見ています。真機は造化の真のはたらき、天地が万物を生かしている力のことです。後半は、野の景色が山に途切れず、空の光が水面と一続きになっている眺めに、天と地が上下に貫き通っている真の境地を見ます。宋代の儒者たちは、こうした何気ない自然の情景に天地の生意を感じ取ることを大切にしました。机の上で理屈を追うだけでなく、外に出て鳥の声や空と水のつながりを眺めることも、大きな学びになります。自分と周りを分けすぎていないか、ふと考えさせられる句です。
この章句が説くこと
自然天人真機一体風景
関連する章句
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