酔古堂剣掃 / 集倩・碣石の宿霧を收む
收碣石之宿霧,斂蒼梧之夕雲。
新字:収碣石之宿霧,斂蒼梧之夕雲。
書き下し
碣石の宿霧を收め、蒼梧の夕雲を斂む。
現代語訳
北の碣石山にかかっていた夜霧を収め、南の蒼梧にたなびく夕雲を引き寄せてしまいます。
解説
天下の北と南の果てを一対にして、空が晴れ渡る壮大な情景を描いた短い句です。碣石は渤海に臨む山で、魏の曹操が東のかた碣石に臨んで海を観ると詠んだことで知られます。蒼梧は南方の地名で、古代の聖王舜が巡行中に亡くなった所と伝えられます。宿霧は夜のうちからかかっている霧、斂は収めてしまうことです。北の霧も南の雲もすっかり消え去り、天地が澄み渡るさまを描いており、続く句と合わせて、雲の晴れた夜空に昇る月の光をたたえた駢文の一節と見られます。この集には、こうした対句の美しさそのものを味わう句が多く収められています。地名の響きと遠さを思い浮かべながら、声に出して読むと、景色の広がりが感じられるでしょう。
この章句が説くこと
風景対句月雲風雅
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