酔古堂剣掃 / 集景・霽色一新す
看山雨後,霽色一新,便覺青山倍秀;玩月江中,波光千頃,頓令明月增輝。
新字:看山雨後,霽色一新,便覚青山倍秀;玩月江中,波光千頃,頓令明月增輝。
書き下し
山を雨後に看れば、霽色一新し、便ち青山の倍ます秀づるを覺ゆ。 月を江中に玩べば、波光千頃、頓に明月をして輝きを增さしむ。
現代語訳
雨上がりに山を眺めると、晴れ上がった景色がすっかり新しくなり、青い山がいっそう秀麗に感じられます。川の中の月を楽しめば、波の光が広々と一面に広がり、たちまち明るい月をいっそう輝かせます。
解説
雨上がりの山と、川面に映る月とを対にして、景色を引き立てる条件を描いた一則です。前の句の霽色は雨が上がったあとの晴れた景色で、雨に洗われたことで、山の青さがいっそう際立つと言います。後の句の千頃は、広大な水面を表す言葉です。月が川面に映り、波がその光を無数に反射することで、月がいっそう明るく輝いて見えるのです。どちらも、雨や水という別のものが加わることで、山や月そのものの美しさが引き立てられるという構図になっています。人もまた、困難な経験を経たり、よい仲間と出会ったりすることで、本来の良さがいっそう輝きを増すことがあるのでしょう。
この章句が説くこと
自然風雅月雨山水
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