酔古堂剣掃 / 集豪・玉山頹れて芳草に眠る
明月在天,秋聲在樹,珠箔卷嘯倚高摟;蒼苔在地,春酒在壺,玉山頹醉眠芳草。
新字:明月在天,秋声在樹,珠箔巻嘯倚高摟;蒼苔在地,春酒在壺,玉山頽酔眠芳草。
書き下し
明月天に在り、秋聲樹に在り、珠箔卷きて嘯きて高摟に倚る。蒼苔地に在り、春酒壺に在り、玉山頹れて醉ひて芳草に眠る。
現代語訳
明るい月が空にあり、秋の音が木々にあるとき、真珠のすだれを巻き上げ、口笛を吹いて高い楼にもたれます。青い苔が地にあり、春の酒が壺にあるとき、玉の山が崩れるように酔いつぶれて、香しい草の上に眠ります。
解説
秋と春の二つの場面で、風流な豪放さを描いた対句です。前半は、月と秋風の夜に高楼で口笛を吹く清々しい姿です。後半の玉山頽るは、『世説新語』で嵇康の酔った姿を玉の山が崩れるようだと評した言葉に基づき、立派な人が酔いつぶれるさまを言います。どちらも、自然の中に身を置いて心をほしいままに遊ばせる境地です。高摟の摟は、楼の字を写し違えたものと思われます。季節の移ろいを肌で感じながら、ときには肩の力を抜いて過ごす時間も、心には必要なのでしょう。
この章句が説くこと
閑適風雅自然酒季節
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