酔古堂剣掃 / 集倩・白雲深き處の人家
入山采藥,臨水捕魚,綠樹陰中鳥道;掃石彈琴,卷簾看鶴,白雲深處人家。
新字:入山采薬,臨水捕魚,緑樹陰中鳥道;掃石弾琴,巻簾看鶴,白雲深処人家。
書き下し
山に入りて藥を采り、水に臨みて魚を捕ふ、綠樹陰中の鳥道。 石を掃ひて琴を彈じ、簾を卷きて鶴を看る、白雲深き處の人家。
現代語訳
山に入って薬草を採り、川辺に出て魚を捕る、緑の木陰の中の細い山道。石を掃き清めて琴を弾き、簾を巻き上げて鶴を眺める、白雲の深いところにある一軒の家。
解説
山中の隠者の暮らしを、動作と風景の組み合わせで描いた一則です。前半は薬草採りと魚捕りという外での営みで、それが行われる場所を緑樹陰中の鳥道と結びます。鳥道は鳥しか通れないような険しく細い山道のことです。後半は石を掃いて琴を弾き、簾を巻いて鶴を見るという家での楽しみで、それが白雲深処の人家で営まれます。白雲深処は唐の杜牧の詩「白雲生ずる処人家有り」を思わせる語で、俗世から遠く離れた住まいの象徴です。自分の手で糧を得て、残りの時間を琴と鶴に向ける暮らしは、明末の文人たちが憧れた理想でした。働くことと楽しむことが一つながりになっている暮らしの姿として読むことができます。
この章句が説くこと
隠逸閑適山居自然琴
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