酔古堂剣掃 / 集韻・徑を掃ひて清風を迎ふ
掃徑迎清風,登臺邀明月。琴觴之餘,間以歌詠,止許鳥語花香,來吾几榻耳。
新字:掃径迎清風,登台邀明月。琴觴之余,間以歌詠,止許鳥語花香,来吾几榻耳。
書き下し
徑を掃ひて清風を迎へ、臺に登りて明月を邀ふ。琴觴の餘、間ふるに歌詠を以てし、止だ鳥語花香のみ、吾が几榻に來たるを許すのみ。
現代語訳
小道を掃き清めて清らかな風を迎え、高台に登って明るい月を招きます。琴を弾き酒を酌んだ合間には歌や詩を詠み、ただ鳥のさえずりと花の香りだけが、私の机や寝台にやってくることを許すのです。
解説
清風と明月を客として迎える、隠者の日常を描いた一則です。径を掃くのは客を迎える準備ですが、ここで迎えるのは人ではなく清らかな風です。台に登って招くのも明月です。琴觴は琴と酒杯のことで、その合間に歌や詩を口ずさみます。几榻は机と寝台、つまり自分の身の回りの空間です。そこへ入ってきてよいのは鳥の声と花の香りだけだ、と言い切るところに、俗事を寄せつけない潔さがあります。自分の空間に何を招き入れ、何を入れないかを決めることは、今の暮らしでも大切です。心を乱すものを遠ざけ、心を養うものだけを近くに置きたいものです。
この章句が説くこと
閑適隠逸風雅自然清閑
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