酔古堂剣掃 / 集法・人品は五倫の上に見る
考人品,要在五倫上見。此處得,則小過不足疵;此處失,則眾長不足錄。
新字:考人品,要在五倫上見。此処得,則小過不足疵;此処失,則衆長不足録。
書き下し
人品を考ふるは、要は五倫の上に在りて見る。 此の處得れば、則ち小過は疵とするに足らず。 此の處失へば、則ち眾長も錄するに足らず。
現代語訳
人柄を見定めるには、肝心なのは五倫の上に表れるところを見ることです。ここがしっかりしていれば、小さな過ちは傷とするには足りません。ここを失っていれば、多くの長所があっても取り上げるに足りません。
解説
人を評価するときの物差しを示した一則です。五倫は儒家の説く五つの人間関係で、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信を言います。人品を見るには、才能や弁舌ではなく、こうした身近な関係の中でどうふるまっているかを見よ、というのが要点です。根本ができていれば多少の失敗は問題にならず、根本が崩れていれば長所がいくつあっても評価に値しない、と対句で言い切ります。眾長は多くの長所、錄は取り上げて記録することです。人を採用したり任せたりするとき、目立つ能力に目を奪われがちです。家族や仲間への接し方、約束の守り方といった地味なところにこそ、その人の本当の姿が表れるのでしょう。
この章句が説くこと
修身五倫人品信頼処世
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